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プロキャディ 小田美奈コラム
毎週月曜日更新

第31回 サントリーレディスオープン

2007.6.4

女子の試合は主に、予選2日決勝1日の3日間で行われるものがほとんどですが、公式戦等では4日間のもの があります。今週行われるサントリーレディスオープンもその数少ない4日間競技の一つです。

サントリーレディスは毎年男子が空き週だったので、キャディをしに行きました。
そして2002年の1年間キャディをさせていただいた宮里聖志プロの紹介で、2004年に妹の藍プロのキャディ をすることに。そして優勝。
私にとって、プロキャディとしてはカシオワールドの今井プロでの優勝以来2度目、女子では初優勝だった のではっきりと記憶に残っている大会です。
しかし後になって宮里家のお父さんから教えてもらったことです(私自身の記憶にはその場面は残っていません)が、火曜日の練習ラウンドの日に試合会場で藍プロに会った時の私の一言目は「今週は体力温存で。」だったそうです。思わず笑ってしまったという事でした。
実際、私が女子の4日間競技で最も気をつけていることは、選手の体力の消耗をいかに少なく抑えるかです 。

プロキャディ 小田美奈コラム
思い出の優勝シーンです。
多くのカメラマンさんがいた方向に藍ちゃんが背を向ける形でハイタッチしてしまい、
私の優勝シーンのようになってしまいブーイングをいただきました。
毎週試合をこなして行く内に、自然と体に一定のリズムというか周期のようなものが出来てきま す。
そこで、いつも3日間競技だったものが急に4日間となると、体のリズムが微妙に変わってきます。女子ツアーで4日間のキャディをしていると、その4日間が長く感じられるものです。
長時間の集中力を必要とされるゴルフにとって、後半に入ってからのスタミナ切れによる集中力不足、もしくは空回りはスコアに大きく影響してくるので、3日間に慣れた体と精神を4日間に対応させるには、気力体力ともに温存していくことが大事だと考えています。
これは体力の有る無しの問題ではありません。
ただ体力の問題であれば、まだ10代の藍プロを心配する必要はありません。
問題は、体にできあがった周期のようなものが狂ってくることです。
例えば、いつも休みの日はのんびり家で過ごすことが多い人が、慌ただしい休日を過ごしてしまったら、次の1週間が長く感じられたり、慣れない徹夜をすればしばらく体がおかしいと感じたりします。体力は使うか ら減るだけではなく、いつもの生活のリズムとずれることで減りやすくなるものだと思います。
そこで、4日間競技で最も気をつけることは「体力の温存」というわけです。
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18番のフラッグです。
さて、その試合もいつも通り「体力温存」を前面に打ち出して始まりました。
選手の調子が良いことは練習を見ても明らかだったので、予選の2日をさらっと終えて、いかに4日目に集中力の頂点を持っていくことが出来るかが勝負だと考えていました。
しかし今になって思えば、優勝が見えてくれば勝手に集中力も増すし、体力も湧いてくるもの。10も年下の選手の体力を心配する必要は無かったのではないか?と、またまた考えさせられたのでした。
 
次回更新予定:2007年6月11日

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